天才ブログ

天才ちゃん夜明けに眠る

カルテットドーナツホールが「けむり」になった最終話

「カルテット」は坂元裕二オリジナル脚本のドラマ

 漫画原作のドラマや映画が多い昨今、
オリジナル脚本で非常に見ごたえのある作品でした。

ブコメディーとサスペンスが入り混じった非常に楽しい作品。

 

カルテットドラマ本編については、こちらにまとめさせていただいた。

 

 ラブコメディーとサスペンスといえば、ケラリーノ・サンドロヴィッチの「怪奇恋愛大作戦」をどことなく思い浮かべていました。

怪奇恋愛作戦 DVD BOX

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もちろん雰囲気が全然違うので比べて観たりはしなかったですが、
「ちょっと謎めいたエピソード」や「人のおかしなこだわり」などの描写はやはり面白おかしく、ドラマに引っ込まれていきました。

 

堤幸彦監督あたりが描くその奇妙な世界というものは、同世代というか、共通するセンスを感じます。

ケイゾク/映画にケラさんもちょっと出演されている。

ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer [DVD]

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癖のあるおかしな登場人物ということでいえばツイン・ピークスを思い出さずにはいられなかったし、あちこちでデビッド・リンチっぽさも感じた。

なんとなく共通するところを感じていました。

 

面白いと思うポイントの共通点

なんとなくシンパシーのようなものを感じていたので、
ケラさんがこのドラマを絶賛していたのはうれしかったです。

 

 

 

 

ケラさんの影響で特にモンティ・パイソンウディ・アレンの映画をたくさん観たのだけど、その奇妙でおかしくてちょっと理屈っぽくもある世界は妙に愛しい。

カルテットは私が好きな要素がたくさん詰まっていた。

そこにはやはり共通点があったのだ。

 

下の名前で呼び合う別府と家森

「別府くぅ〜ん」→「司くぅ〜ん」

「家森さん」→「論高さん」

家森と別府がお互いの名前を下の名前で呼び合うことにしたのは、真紀が戻ってき時に、たとえ呼び方が変わっても違和感がないようにそうしていたのだ。

それに対してすずめと真紀は、なぜかわからず気持ち悪がる。

 

「あ、真紀でいいですか?」

の一言で男二人の気遣いはあっさり流された。

ここでも真紀が得意のハグすかしのようなことになりニヤリとさせられるが、男二人は「真紀」のままの真紀さんにホッとする。

 

おとなの掟 真紀の最後の秘密「死と乙女」

軽井沢大賀ホールでの演奏直前、真紀がすずめに話した秘密

 

鏡の中で口紅を塗りながら唇をちょっと舐め、というCHARの「気絶するほど悩ましい」の歌の通りの仕草をする。これも演出によるものでしょう。

なぜなら、この歌は嘘つき女の歌だから。

 

すずめ「真紀さんのこと疑ってきた人は別の意味に取りそう

週刊誌を読んで集まった人は「義父への殺意」を感じ取るだろう。

だけど真紀にとってはそんなことはどうでもよかった。

 

死と乙女「なんでこの曲にしたの?」というすずめの問いに

 

こぼれたのかな・・・ 内緒ね」と真紀は答えた。

→ 第10話

 

これは第9話ですずめが真紀に言った言葉にかかっている。

「好きになるって裏切らない」

「人を好きになるって、勝手に溢れるものでしょ」

「好きになった時 人って過去から前に進む」

元・早乙女真紀は司のことが好きになった。

すずめと真紀にしかわからない秘密だった。

そのことは嬉しくもあり悲しくもあり

すずめは涙をこらえて「うん」と微笑んだ。

真紀は過去から前に進んだのだ。

 

満島ひかりさんと松たか子さんの二人の表情は、
何度見ても見飽きることがないくらいカルテットの最終章の秀逸さを物語っている。

複雑な登場人物の心情を見事に演じきっている。

 

男同士の内緒と女同士の内緒

 

「好き」とか「嫌い」とか「欲しい」の滅びの呪文は、
軽々しく相手には伝えられないのだ。

おとなの掟

おとなの掟

 

 

シューベルトの「死と乙女」30分ぐらいある弦楽四重奏で、

ドラマでも白熱の演奏シーンだった。

そこにジュースの缶が投げ込まれる。

カルテットは「もう離れない」という感じのビクともしない絆を見せる。

 

音楽は一生やっていきたい感じですか?

演奏者として仕事をするのが夢だった4人は、結局、好きなことを仕事にする泥沼から逃れ、趣味の延長として演奏活動を続ける。

週末に4人が集まってどこかで演奏する。

ずっとやり続ける。

それが仕事であっても、仕事でなくてもやり続けることができれば。

 

4人で自由に演奏できるようになったカルテットドーナツホールは、
4人のスタートラインがようやく揃ったのだ。

 

たとえ「けむり」のような存在であっても

たとえ「穴があるドーナツ」のようでも

それが届く人が一人でも二人でもいれば

 

音は響く。

 

この曲を聴くたびにカルテットを思い出すでしょう。

Music For A Found Harmonium (Live)

Music For A Found Harmonium (Live) (2008 Digital Remaster)

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サンキューパセリ サンキューカルテット

 

PS:なぜか昔から、ハマるドラマはたいていTBS